ウールドヴァダヌラーサナ

【ヨガ解剖学】大腰筋(1) なぜバックベンドができない?後屈やブリッジが苦手な人はココが硬い


長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターのミーラ美樹です。
 @yogathajp

 

もしもヨガで苦手なポーズランキングがあったら、バックベンド(後屈)が必ず上位に入るはずです。

わかりやすい後屈ポーズだと、ウシュトラーサナ(らくだのポーズ)やセツバンダーサナ(橋のポーズ)ですが、なんといってもウールドヴァダヌラーサナ=ブリッジ(上向きの弓のポーズ)に手を焼いている人が多いでしょう。

 

ブリッジで頭が上がらない、腕が伸びない、腰が痛い、アーチが台形っぽくなる、

しまいには後屈なんて気持ちよくない!

 

このようなバックベンドに関するお悩み相談をよく受けます。

 

かくいう私もヨガインストラクターですがバックベンドは大の苦手!
だからこそ【ヨガ解剖学】でも特に研究しました。

 

 

【ヨガ解剖学】内転筋(2) O脚矯正とブリッジができない人はセツバンダーサナを練習すべし

 

【ヨガ解剖学】内転筋(3) ウールドヴァダヌラーサナ・ブリッジができない人はココが弱い

 

 

後屈ポーズが苦手な人はいったいどの部位が硬いのでしょうか。

今回はブリッジを例に大腰筋(腸腰筋)にフォーカスして考察します。

 

 

この記事はこんな方におすすめ!
  • 後屈が苦手
  • ブリッジで腕が伸びない
  • ブリッジで頭が上がらない
大腰筋を意識!
ヨガポーズ イラスト

 

 

 

大腰筋にフォーカスして
ブリッジを解剖する

 

現代人は総じて大腰筋(腸腰筋)が硬いです。
なぜなら日常生活では前傾姿勢が多く、あるいは不良姿勢が常態化しているから。

 

硬く伸びない大腰筋で

バックベンドを行うのは

どう見積もっても難しいのです

 

ここでウールドヴァダヌラーサナで伸びる筋肉を見てみましょう。

 

 

伸展

【脚】大腿直筋、大腰筋、腸骨筋
【体幹】腹筋群、胸郭前部の筋群、前頸筋
【腕】大・小胸筋、広背筋

 

ウールドヴァダヌラーサナ

※必ずしも赤色の筋肉が伸展を示すわけではないので注意

 

 

このポーズをしてみればわかりますが、太ももの前側(大腿直筋)が伸びていると感じる人が多いです。

 

しかし!

脊柱を支える太くパワフルなインナーマッスルを忘れていませんか?

 

これが大腰筋+腸骨筋(腸腰筋)です。

 

このポーズにおいてはこれらの伸びを意識して欲しいのです。

 

 

 

大腰筋が伸びなければ頭も上がらない

大腰筋(腸腰筋)や腹筋群・大胸筋など私たちが身体の前側だと感じる部分が伸びなければ、ブリッジ状態でアーチを描けないため頭も上がりません。

頭が上がらない理由は腕の力がないから?とよく生徒さんから尋ねられますが、腕力ではありません。

 

 

そして思い出してください。
ウールドヴァダヌラーサナは上向きの弓のポーズと訳されます。

大腰筋は弓でいう握りの周辺、アーチェリーなら強くしなることによって矢を飛ばすリムです。

 

もしリムがしならなかったらストリングは引っ張りにくくなりますよね?

ちなみにタブを引く右手がこのポーズでいうと床を押す手です!

 

 

上向きの弓のポーズ フリッジ

出展:アーチェリーアイテムの販売と卸のハスコアーチェリー

 

 

もはやこのポーズを別名ブリッジというのはやめたほうがいいかもしれません。

ブリッジというと橋ですが現代人にとっての橋は、江戸の街にかかるアーチ型の木製橋じゃなくて真っすぐなんですよ。非常にイメージしにくい!

 

対してヨガは「弓」!

 

わかりやすいですよね!

 

尚、「上向きの弓のポーズ」の他にお腹を下にした「弓のポーズ」もあります。

 

シバナンダヨガ ダヌラーサナ 弓のポーズ アーサナ

 

 

 

 

そもそも大腰筋ってどの筋肉?

 

一部のヨガインストラクターやセラピストの間でも理解が進んでいないと思うことがあります。
某リラクゼーションサロンを利用したとき「腰が痛くて大腰筋がうずく」と主訴を伝えたら、うつ伏せにされて脊柱起立筋を圧される有様です。

大腰筋の触診は難しいのです。
ちなみにお肉でいうとヒレ肉です。

 

 

大腰筋の位置

大腰筋は腰の前側にあります。

 

腰の前側?

 

わかりにくいですよね。

図をご覧ください。

 

 

大腰筋

 

 

大腰筋は読んで字のごとく腰に関わる筋肉ですが、胸椎12番~腰椎5番からはじまり(起始)腸腰筋と共同腱によって大腿骨小転子まで(停止)伸びています。

 

 

 

大腰筋の断面図

まだイメージできない人のために断面図を描いてみました。
脊柱起立筋がややデカいですがご容赦を。

 

 

大腰筋

 

 

体幹の筋肉として一般的に思い浮かぶのが腹筋ですが、実は薄いんですね。

 

鍛えることで内臓下垂を防いだりルックスを美しくしますが、腹筋は直接脊柱を支えていません。ここ大事!

 

対して、赤い部分の大腰筋を見てください。

腰椎をしっかり支えているのがわかります。

 

大腰筋はインナーマッスルで

スタビライザー(安定化筋)の

代表格なのです。

 

 

身体にとって大事な役割を果たしている大腰筋。次はその役割を探ってみましょう。

 

 

 

 

大腰筋の役割とは?

 

大腰筋の主な作用は

 

・上半身を起こす

・下半身(脚)を上げる

 

です。姿勢を維持したり階段昇降で使います。

 

 

 

 

大腰筋が硬くなる原因と弊害

 

長時間の前傾姿勢やデスクワークあるいは立ちっぱなしの姿勢。

前述で上半身を起こす役割があると書きましたが、つまり姿勢を維持するのに大腰筋を使っています。

一定の姿勢、特に長時間の不良姿勢が常態化すると、大腰筋は酷使されその柔軟性が失われ硬くなります。

 

 

デスクワーク

 

 

さらに、大腰筋が衰えると直立などの姿勢維持が困難となり腰が曲がります。

脚も上がりにくくなりつまづきやすくなります。

そう、高齢者です。

 

 

 

 

さて、今回はココが伸びないからブリッジができないという視点でしたが、

ココが弱いからブリッジができないという視点で解説した以下もおすすめです。

 

【ヨガ解剖学】内転筋(3) ウールドヴァダヌラーサナ・ブリッジができない人はココが弱い

 

 

次回は大腰筋と腰痛について述べます。

om shanti,