長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターのミーラ美樹です。
@yogathajp
友人とお茶して、たわいもない話を重ねたり、時に愚痴ったりするような時間。このような時間はすべてコロナに奪われました。
他者と同じ空間を共有する機会が減り、代わりにオンラインやSNSでのコミュニケーションが活発化。相対的に独りの時間が増えましたね。
仕事のことや家族のこと、未来のことをアレコレ考えながら、好転的に自分と向き合う機会を得た方もいらっしゃるでしょう。
今回は、ヨガクラス中に起きた生徒さんの異変。
そして打ち明けてくださった
「自分と向き合うのがしんどい。」
という想いについてお話します。
レッスン中、生徒に異変が・・・
ある日のレッスン中。
ふと見ると、
動きを止めて座っている生徒さんに気づきました。
「どうしました?」とお声掛けすると、
ー 苦しい
マスク環境ゆえ、呼吸が苦しいのか尋ねても、どうやら違うよう?
彼女は黙っていました。
私はとっさに
「心理的に苦しい?」 と尋ねると
ー はい
すぐさま、
「あなたが楽な姿勢で休んでくださいね。横になってもいいですよ。」
と伝えてクラスを続けました。
生徒さんは横になりました。
しかし、暫くすると起き上がってアーサナをしては、また休んだり・・・を繰り返していました。
当然、周りの視線も感じるでしょう。頑張ってヨガを続けなきゃ、という心理が透けて見えました。
そこで、
「頑張らなくていいんですよ。」
と伝えると、彼女の目がみるみる潤んできました。
このように個人的にお声掛けする場合。
シークエンスの中で、即興でチャイルドポーズを入れるなどして、クラスが円滑に進むよう配慮します。
そうして滞りなくシャヴァーサナに到達。
暫く横たわっていた生徒さん。
落ち着いたかな?と思ったのもつかの間、急に起き上がって体育座りに座り直し、うつむいていました。
私は再び声をかけず、その様子を終わりまで見守っていました。
これがある日の出来事です。
癒される、という感覚を味わう方が多いヨガ。
なのに、かえって苦しい。
・・・生徒さんの身になにが起こったのでしょうか。
なぜヨガで心が苦しくなったのか?
はじめてヨガッサに来られる生徒さんにご記入いただくアンケートがあります。そのなかで、「ヨガに何を求めますか?」という項目がありますが、非常に多くの方が「癒し」に〇をつけられます。
実際、普段ヨガに取り組んでいる皆さんからは、
リラックスする
リフレッシュする
ホッとする
という声を多く伺います。
しかしなぜ、癒やされるはずのヨガクラスで、心理的に苦しくなったのでしょう。
ヨガとは自分(の内側)を
観て感じて整えること
常日頃お伝えしていますが、ヨガとは内側に意識を向ける取り組みです。(細かすぎて伝わらない補足:ヴェーダーンタ的には意識は存在(Be)なので、動詞的な行い(Do)として用いずに、意識的になるとかフォーカスする、が適切。)
対して日常生活において、意識は常に外側に向かっています。感覚器官で得た情報を脳が処理して、私たちは外側の世界を認識します。そうして仕事や家事をしたり、他者との距離感を図りながらコミュニケーションします。
たとえ一人でいても、スマホを見る等外側にフォーカスしています。
ここでいう、自分の内側とはなにか。
それは、体、呼吸、心、思考といったもの。
ヴェーダーンタではアンタッカラナといいますが、これらを内側の道具とみて、ケアしたり整えるのがヨガです。
ヨガとはすなわち自分自身と向き合う作業。
これが、しんどい人にはしんどい。
観たくも知りたくもない自分と向き合うなんて無理ーー!って逃げ出したくなるときもあるよね・・・。
ヨガとは今ここにいる自分(の内側)に
完全にフォーカスすること
こちらも私がクラス中でよくお伝えしていますが、
私たちはヨガを通して、
今ここにいる自分に意識的になります。
過去や未来のアレコレや、クラスに来る前まで考えていたことや想いを一度手放して、今、に完全にフォーカスするよう努めます。
アーサナヨーガを動く瞑想、とはよくいったものです。
しかし、今まさしくここにいる自分に不快感を感じていたり、焦燥感や絶望感が強い場合、どうでしょう?
今の自分が抱えるリアリティが
より一層濃くなります。
自己存在に影を落とします。
これに向き合うのは、とても苦しい作業ですよね。
心理状態によっては
ヨガが逆効果になることも
異変が起きた生徒さんのその後・・・
心理的に苦しいとサインを送ってくださった生徒さん。
クラスが終わると私のところへ来て、
自分といるのがしんどいんです。
と伝えてくださいました。
わかります?この感覚?
こんな心理状態じゃ体も動かないですよ(´;ω;`)
そうして心の器が苦痛で満たされると、いよいよ現実から逃げることを考えます。
植物にも石にもなれないから、何も感じたくなくなります。すると自己放棄、希死念慮という話になってくる。
こんなときはヨガを控えよう
私たちの心の在りようによっては、ヨガが適切ではないことが解ります。
自分を変えようとがんばってヨガクラスに来たものの、不安や不快感、苦しいと感じるなら、今取り組むべきではありません。
ヨガは逃げませんから、いつでもまた戻って来れますよ!
そして指導者も、好転反応です~♡などと、間違っても口にしないことです。その反応を請け負う生徒さんの絶望を知ってください。
次回は、ヨガ指導者向け記事として、もしレッスン中に生徒の異変が起きたら・・・の様々なケースを考えていきます。
om shanti,