長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターのミーラ美樹です。
@yogathajp
前回の【ヨガ解剖学】大腰筋(1) なぜバックベンドができないか?後屈が苦手なヨギー必見!では、ウールドヴァ・ダヌラーサナを例にお伝えしました。今回は特に大腰筋と腰痛の関連性についてお話しします。
大腰筋。
読んで字のごとく「大きい腰の筋肉」。
まさしく腰痛に関わっているように思います。現代において腰痛はもはや国民病ですね。
この大腰筋を酷使するとなぜ腰痛になるのでしょうか。
大腰筋の作用と腰痛例
まずは大腰筋の作用のおさらいです。
主として股関節屈曲を行う筋肉ですが、腰痛を感じやすいケースと共にまとめます。
上半身を支える作用
身体を支える働きがある大腰筋。
ここで気を付けたいのが、腰痛に良くないとされる中腰や前傾姿勢です。この姿勢が長時間に及ぶと大腰筋は必要以上に力み続けます。特に中腰の姿勢から起き上がる時に腰を痛めやすいでしょう。
これは縮んでいた大腰筋が急激に引き伸ばされるためです。
たとえば、朝起きて顔を洗ってると腰が痛いと言う人がいますが同様の原理です。朝は大腰筋だけでなく、全身の筋肉が硬くなっているものです。その時に腰を酷使する動きをすると痛みを感じるのです。
下半身を上げる作用
セラピストの間でも、大腰筋の主な作用はむしろこちら側にあるという人は多いです。
たとえば、黒人のアスリートは生まれつき白人や黄色人種よりも大腰筋が発達していると言われています。脚をあげるパワーが強い=速く走ることができる、ということになるので、スプリンターは特に黒人の選手が多いのだそうです。
腰痛例
上記のように、脚を上げすぎて腰痛になることがあるでしょうか?そういった経験がある方は少ないと思いますが、ジョギングやマラソン選手はこの手の腰痛を引き起こしやすいです。他には、仕事で外に出歩く営業職の方も多いでしょう。
また、特に走ったり歩いたりしていなくとも、座るという姿勢は常に上半身を支え続けています。このため無意識のうちに大腰筋を酷使しています。ある統計によると、座っている姿勢は立っている姿勢より腰にかかる負担が1.4倍だそうです。トラックやタクシー運転手が腰痛に悩む理由がここにあります。
大腰筋の起始・停止からわかる捻りの動作
次に大腰筋の起始と停止ついて。前回に続いてこちらの図で大腰筋の付着位置を見てください。
【 はじまり 】
浅頭は第12胸椎~第4腰椎までの椎体および肋骨突起に付着。深頭は全腰椎の肋骨突起に付着。
【 おわり 】
大腿骨の小転子に付着。
要するに大腰筋は腰椎、骨盤、脚の骨まで結んでいるということです。
これが意味することは、大腰筋が硬くなるとスムーズに腰を捻ることができなくなります。腰から脚の付け根にかけて太いつっぱり棒があるとイメージしてみてください。
身体が丸太のような動きになってしまい、腰を捻るだけでなく寝返りを打つ、あるいは腰を左右にスライドさせるような動きもしにくくなります。
大腰筋は体幹と呼ばれる身体を支える筋肉の中で、最も重要な筋肉です。その筋肉が痛みを発すると、日常生活のあらゆる動作で腰に問題が生じてしまうのですね。
そろそろみなさんの疑問が聞こえてきそうですね。
「大腰筋が大事なのはわかったけれど、じゃあどうやってケアすればいいの?」
次回に続きます。