長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターのミーラ美樹です。
@yogathajp
今回の怪我ネタは<膝編>に続き<首編>です。
ある朝、首を寝違えて軽く痛めた状態で練習をしていました。
インバージョンからのヴィンヤサで・・・
三転倒立から
二の腕に着地
頭を上げてバカーサナから
ジャンプバック
チャトランガダンダーサナ → アップドック → ダウンドック
以上のフローにおいて、頭を上げてバカーサナになりきる前にジャンプバックに入ってしまいまして。
首グキッ!
頸椎の屈曲(前屈)の適正値は60度ですが、首を前に倒す動作の主動筋である胸鎖乳突筋や補助筋の斜角筋群、僧帽筋を捻傷(ねんしょう)しました。
要は肉離れで、運動中に瞬間的に筋肉を伸ばし過ぎたり、屈伸により急激に筋肉に牽引力が働き、筋肉の組織である血管や筋繊維が損傷するという怪我です。
さて
首がまったく動きませんw
とりあえず整骨院に行きましたが、数日間は首が固定状態。寝がえりもできないし、一度仰向けになると重すぎる頭を首が支えられなくて、ひとりでは起き上がれない。
要介護状態
頭部の重さは成人の体重比で約10%だと言われていますが、普段どれだけ首・肩が頑張って頭を支えているか、を本気で実感しました。よくバレリーナは「頭の位置」を指導されますが、頭の置き方次第では肩こり等になるのもわかります。
さて、しかしながら元通りまで回復したのが一年前。とはいえ疲労が溜まると疼くのか、一ヶ月前から週一回の治療を続けています。頸椎前屈の動作(屈曲)、つまりサルヴァンガーサナやハラーサナが思いきりできない。「自分はここまで行ける」と認知している可動域まで屈曲すると痛みが出る。
随って、痛まないようにやるにはよっぽど手抜きしなければなりません。スポーツ障害や怪我の経験がある方はわかると思いますが、
今まで できていたことが
できなくなるのは
すごくもどかしい
これは歳をとり身体が衰えるごとに感じるでしょうね。若い時はなんの苦労も介助も要らなかったのに・・・という、ふがいなさともどかしい感情。それを今から訓練してるようなものです。
しかし同時に、怪我という経験から学ぶことは非常に多く、アーサナのカタチに執着しない鍛錬にもなります。
痛みがある間は痛みを受け入れる。痛みも自分の一部。まさに YOGA ですね。
一見マイナスに見える出来事も、受け取り方次第でプラスにも見える。現実は中立的で受け止める人の価値観やマインドでいかようにも変わるのです。
「天国も地獄も自分のマインドが作り出したもので、自分が選んでいるのだから。」
というマハデヴァナンダジの言葉が活きるわけですね。
現在治療中のC7周辺 右肩甲骨上の僧帽筋が患部
未だ治療中の私ですがある疑問にぶつかります。
整骨院の先生の話によると私の首は既に正常な可動域を取り戻しているのだそうです。
え?
未だに痛いのに?
ここから解るのは、私の練習においては正常可動域以上に首を屈曲しているということです。
以前は感覚的に認知する”マイ可動域”に達しても無痛で「もうこのへんだな」で判断していました。それが怪我後は、直接的な痛覚を伴う判断に変わりました。このように、”マイ可動域”まで行くと痛みを誘発する首に変わりましたが、今も昔も正常可動域はでています。
つまり、アーサナの難易度が上がれば上がるほど、身体は正常可動域以上の動作をしていることになります。
熟練者でもまさしく注意が必要です。
こういった正常可動域を超えたトレーニングを行う競技はヨガだけではありません。体操、バレエ、格闘技、相撲等。しかし、単純に柔軟性を高めるだけではなく、同時に筋力トレーニングを行っているはずです。
<膝編> で靭帯がゆるむと関節の安定性が損なわれるとお話しましたが、やはり柔らかいだけではダメなんですね。
さて最後に、首を屈曲するアーサナの一例として、サルヴァンガーサナで注意したい点をお伝えします。
フィニッシングポーズをまだ完璧に憶えてないからといって、逆転姿勢のまま隣の人を見て手本にするのは絶対にやめてください。首を屈曲しながら回旋(首を回す動作)が加わるのは最悪です。頸椎自体を痛める可能性があります。
ウールドヴァパドマーサナが終わるまではドリシュティ(定められた視点)に従いへそを見ましょう。わからない場合は必ずインストラクターが来るまで待ってください。
次回は私の例を用いて<腰編>に進みます。万年腰痛ヨギーは必見。
om shanti,