10月26日、ヤミーがバンダウガル国立公園に向けて発つ。
「世界で野生のトラを見れるのはインドとロシアと中国だけなのよ。アフリカにはライオンはいるけどトラは見れないの。ミキも行かない?」
彼女は動物好きで、以前はケニアに通い野生動物を見てきた。私はインドでオモロいインド人を見るだけでもお腹いっぱいなのに。さらに野生のトラを見に行く気にはなれなかった。遠いしね。それより以前からゴアのビーチに行って、世界遺産であるパナジの教会群を見たかった。
私たちは別れることにした。
インドOUTのチケットは同日だから最終的にデリーで落ち合える。早ければカジュラホーあたりで会おうということになった。
旅のパートナーでも人生のパートナーでも必要なのは協力であって依存ではないから。目的地が異なる時「相手の旅にのる」のもアリだが私たちは「自分の旅をする」ことにしたんだ。
私のルート A:コバラム B:ゴア C:デリー D:カジュラホー E:バラナシ
大きな地図で見る
お世話になったホテルスタッフにギフトを手渡すヤミー。
インドのママ
アーユルヴェーダセラピストのプリーダ
日本人女子で最後のランチをして、いよいよヤミーのコバラムOUT
「見送るのはリキシャパークまででいいよ。」と言う彼女。私は「空港まで行くよ。」と言う。
彼女は「嬉しー。」と小さく笑うのだった。
ヤミーを送り出した帰り道。go and come backで待機させていたリキシャーマンに言われた。
「ちょっとさびしそうだね?」
「ともだちを見送ったから。」
と返す。
しかしそのあとの一言がすごいw
「じゃあ僕と飲もうよ?
今夜はディワリじゃないか!
パーティしよう!!」
とノリノリの笑顔・・・
なんでそうなるの!?
傷心につけこんでお誘いとは
いい度胸だぜ
「別の人と予定があるの」と拒絶・・・
すると
「男?女?」と下世話な質問
しまいには「僕も一緒に行くよ!」
ってなんたる図々しさwww
呼んでないっつーの!!
・・・やはり私には野生のインド人を
相手するので精一杯だ
コバラムに戻るとM子ちゃんがバックパックを背負ってこちらに歩いてくる。また会おうね、そう告げた彼女は大きなバックをひるがえし手を振りながらコバラムを去って行った。嗚呼、またひとり、ともだちとさよならだ。
今夜はディワリ。
ディワリとはインド三大祭りのひとつでヒンドゥー教の新年にあたり新月にも重なります。また、Lakshmi(ラクシュミ)を讃える光のお祭りでもあります。
ラクシュミとは美と豊穣、富や財の女神でヒンドゥー教の最高神の一人ヴィシュヌの妻。仏教にも取り込まれており吉祥天という名です。インド各地で爆竹が鳴り、花火が上がり、プージャ(お祈り)をします。そして店先や家庭の玄関先にはラクシュミが新月の暗い道のりを迷わないようディーヤ(ギーを注いだランプ)やキャンドルを灯して迎え入れます。
ディーヤを掲げるインドの国民的女優・アイシュ
今夜のディナーは図らずとも女神と同じ名前のラクシュミとディナーを共にする。あのリキシャーマンはシラネ!・・・そうしてゲストハウスに戻るとヤミーとシェアしていた分だけ部屋が広くなっていた。この部屋から日本語と笑い声が消えた。私も明日の夜にはコバラムOUT。
「身体に気をつけてよ?」
空港で言われたヤミーの言葉が骨身に沁みる日が来ることも知らず。私は眠りについた。
namaste,