横隔膜 腹式呼吸

【カラダ通信】知っているようで知らない腹式呼吸と横隔膜の関連性


長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターのミーラ美樹です。
 @yogathajp

 

ヨガを続けていると、少なからず身体に変化がありますよね。
女性にとって嬉しい変化といえばダイエット効果ですが・・・残念ながら私は3kg太りました!

数字で見るとガッカリしますが、デニムのインチも洋服のサイズも変わっていません。そして体脂肪率が減り、筋肉量が増え、特に引き締まったと感じるのが、

・背中、アンダーバスト
・ウエスト
・二の腕
・太もも

です。また上腕三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリングが発達しました。

 

加えて、私はもともと肉質が柔らかいのですが、マッサージなどに行くと「ハリがあり柔らかい。」「いいお肉してる。」などと言われることが多いです。

私は元来「なにもしないと太りやすい体質」あるいは「アーユルヴェーダでいうカファが優位」なので、体型維持にヨガが役立っています。

 

この他、ヨガを続けたことで変化した部分について、自己体験をご紹介します。

 

 

ヨガを続けたら肋骨が浮き出てきた

 

身体の変化として気になるのが、肋骨が浮き出てきたことです。

 

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赤丸はが浮き出て見える肋骨です。
これについてセラピストの友人に尋ねてみました。回答はこうです。

 

横隔膜に柔軟性が出てきたからですね!

 

とかく現代人は長時間の前傾姿勢を余儀なくされています。パソコンやスマホ、台所作業、車の運転・・・前傾の不良姿勢が続くとお腹や肋骨が潰れるんです。

たとえば、ひどい肩こりや腰痛に悩んでいる方の多くは肋骨が浮き出ていません。

つまり横隔膜がしっかりと動いていないのです!
肋骨が浮き出たということは、横隔膜に動きが出てきたということですよ!

 

 

横隔膜と聞いてヨガに詳しい方ならピーン!と来ましたよね。
そう、腹式呼吸法です。

 

腹式呼吸法はまさしく横隔膜を動かす呼吸といえます。

wikipediaには「横隔膜の収縮によって円蓋を下げ、胸腔を広げる、すなわち呼吸(腹式呼吸)の際に大きな役割をする」と記述があります。

 

 

 

 

呼吸と横隔膜の関連性

 

改めて横隔膜ってなんだろう?

 

正面から見ると

横隔膜 腹式呼吸

 

 

下から見上げると

横隔膜 腹式呼吸

 

胸部と腹部を隔てるドーム状の筋肉の膜ですね。

一般的に横隔膜といえばその痙攣である「しゃっくり」を思い出す人が多いですが、しかしそもそも横隔膜が筋肉だと知っていましたか?

横隔膜は随意筋なので自分で動かせる筋肉です。

ちなみに焼肉でいう「ハラミ」。

 

以下に呼吸時の横隔膜に関連する動きをかんたんに説明します。

 

【 吸 う 息 】
横隔膜は収縮し下がる
肺が膨らむ
胸骨・肋骨が押し上げられ
胸部が広がる

 

【 吐 く 息 】
横隔膜はゆるみ上がる
肺はしぼむ
胸部は縮む

 

ここで押さえておきたいのは、肺そのものには肺を動かす骨格筋がないことです。そのため、呼吸は横隔膜や肋骨の間の筋肉(内・外肋間筋)、頸部や腹部の筋肉によって行われます。

 

 

呼吸 内肋間筋

内肋間筋

 

 

呼吸 外肋間筋

外肋間筋

 

 

質のいい呼吸を行うためにはこれらの筋肉を意識して使う必要があり、とりわけ横隔膜を動かすことが大切です。

腹式呼吸ですと、吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませることで、自然と横隔膜が上下します。赤ちゃんが寝ているときのお腹を見ると、お腹がぽっこり膨らむのがとてもよくわかりますね。初心者さんやリラックス系のヨガを練習されている方は是非実践してください。

 

 

 

解剖学的にみる
ウジャイ呼吸時のバンダの重要性

 

ウジャイ呼吸法(胸式)であればバンダも同時に行います。このとき腹圧がかかることで、横隔膜の動きがより顕著に感じとれます。吐く息を例に考察してみます。

たとえば平常時。息を吐くことは受動的に行われます。息を吸えば意識せずとも自然に吐く息が出ていきますよね。このように息を吐くのに努力は要りません。

しかし、運動量の高いアシュタンガヨガやヴィンヤサを行う時はどうでしょう。
筋肉運動が多いため、意図的にウジャイ呼吸法を用いないと息をするのもやっとです。したがって息を吐くために多くの筋肉を使う必要があります。

 

このときバンダが活躍します!

バンダについては、解説するとそれだけで数コラム書けてしまうので、ここではわかりやすく「腹筋を使うこと」「お腹をへこますこと」とイメージしてください。

 

 

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ウジャイ呼吸法において、横隔膜の動きを助けるもっとも重要なサポーターが腹筋群です。腹筋が収縮すると腹圧が高まり、ゆるんだ横隔膜を肺の方へ押し上げて、空気を肺から押し出すのを助けてくれます。

この呼吸法に慣れれば、アーサナで身体に負荷がかかっても力強く、深い呼吸ができます。また内側からエネルギーがみなぎるのを感じられることでしょう。

 

 

 

 

まとめ

 

どうやら、ヨガをはじめてから肋骨が浮き出てきたのは必然のようです。多くのヨーギーの身体を見ると、肋骨が浮き上がっている方が多いですしね。これは横隔膜をしっかり動かしていることを意味し、ひいては深く意識的な呼吸ができている証拠ですね。

次回は横隔膜の動きがよくなるとわかる、4つのイイことをお話しします。

om shanti,