長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターで理学療法士のMieです。
@yogathajp
前回、【ヨガ解剖学】骨盤のゆがみの原因は?ヨガで整えよう!で、骨盤のお話をしました。
今日は、特に幼児~思春期のお子さんがいるお母さんに読んで欲しい内容です。
お子さんの骨格・骨盤、ゆがんでいませんか?
子どもの骨格・骨盤はゆがみやすい
前回のコラムで、
骨盤のゆがみの主な原因は、
普段の姿勢や体の使い方の癖
それに伴う筋肉のアンバランス。
そして利便性の向上による運動不足、筋力低下です。
と述べました。
今日は、子どもの骨格・骨盤に関して、広くみなさまに知って頂きたい内容です。
子どもの骨格・骨盤
思春期(男子平均15歳、女子平均13歳)までの子どもの骨の端っこには、成長板(=骨端線)があり、軟骨細胞が存在しています。
軟骨細胞が増えることで、骨が長くなって身長が伸びます。
思春期が終わる頃に、この軟骨細胞は骨の細胞に置き換わり、成長が止まります。
つまり、思春期までの子どもの骨は非常に柔らかく、姿勢や体の使い方、環境の外的ストレスによって変形して成長する特徴があります。
例:
・机や椅子の高さ、靴などの物理的環境
・同年代の子どもが近くにいる、公園がある等の社会的環境
・体を動かすことが楽しく思えるなどの心理的環境
そして変形したまま成長を終えて大人になると、その変形は修正不可能なものとなります。
骨盤の骨の一部、寛骨は、思春期までは腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨に区別され、互いに軟骨結合をしています。(詳しくは、【ヨガ解剖学】骨盤のゆがみの原因は?ヨガで整えよう! 参照)
思春期以降、軟骨部は骨化して3つの骨は互いにくっついて1つの骨、寛骨となるのです。
つまり、寛骨ができあがる前の柔らかい子どもの骨盤は、
非常に変形しやすい=ゆがみやすい
状態なのです!
骨盤は上半身と下半身をつなぐ役割がありますから、骨盤のゆがみは骨盤周囲だけではなく、全身の負担を増大させ、それに伴う不調を引き起こします。
子どものNG姿勢
あなたのお子さんの姿勢、骨格や骨盤は大丈夫でしょうか?
成長が止まってからでは遅いということは、ここまでお読みになったみなさんはおわかりですね?
成長している今が、今後の子どもの人生において大切な時期です。
姿勢や体の使い方、環境に、もっと大人は注意を向ける必要があります。
成長期のスポーツによる骨盤のゆがみ
骨が柔らかい成長期の時期に、強い負荷、高頻度でスポーツを熱心に行う(行わせる)ことは、変形・ゆがみを生む可能性が高まります。
例えば、野球。
右利きなら、どんな格好でバッターボックスに立ちますか?
骨盤は非対称ですね。
陸上。
トラックは反時計回りに走るというルールがあります。
コーナーではいつも軸からずれて、同じ方向に体が傾きますね。(詳しくは、【ヨガ解剖学】軸を感じ、安定した体と心を手に入れる 参照)
スポーツは非対称で偏った姿勢、体の使い方をするものがほとんどです。そして順位や勝敗といった結果を伴い、時に子どもの心を乱します。
特定のスポーツを禁止するつもりはありません。
(私の息子は小学校では野球、中学校では陸上、高校ではバレーボールにスノーボードと、非対称で偏った姿勢・体の使い方をする様々なスポーツを成長期に楽しんできました!)
理学療法士がおすすめする
子どもの遊び
家庭では、左右対称的で基本的な運動能力を高める外遊びがおすすめです!
①広い野原を自在に走り回る
②飛び跳ねる
③木に登る
などの全身運動がいいですね。
親御さんは是非積極的に外に連れ出してあげましょう!
家族でのびのびと体を動かし、楽しさや充ち足りた気持ちを感じることは、成長期の心に良い影響を及ぼすはずです。
退化しつつある骨盤
習い事としてスポーツをやっていても、現代の子どもは、日常生活で体を動かす機会が激減していますね。
普段の日常生活でこまめにしっかり体を動かさないと、骨は丈夫になりません。そして姿勢保持や体の使い方によっては、必要な筋肉がつかず、骨盤を支えるための筋肉も発達しません。
筋肉どころか、骨盤そのものも発達しないことが研究によってわかっています!
女性も男性も生まれた時の骨盤は、類人猿型骨盤といって縦に細長い形をしています。
成長期の適切な運動によって、骨盤は成長して形が変わり、思春期の頃には、女性の骨盤は妊娠・出産に適した横長になっています。
しかし、生活様式が変わって運動量の激減した現代では、骨盤が成長しきらず、類人猿型骨盤に近い、縦長の骨盤の女性が半数近くになっているという報告があります。
(浜松医大の鳴本敬一郎特任教授は、2013年の時点で、50年前には8%だった類人猿型骨盤の女性が、47%に増えていることを報告。)
骨盤自体が出産に適さない女性が増えているとは、とても恐ろしいことだと思いませんか?出産はお母さんだけでなく、次の世代を担う赤ちゃんも生死をかけた重労働です。
骨が非常に柔らかい子ども時代の姿勢や体の使い方、環境、体を動かす機会が、大人になった時の自分に影響を及ぼすだけでなく、生まれてくる次の世代、さらにはその先々の世代にも影響を及ぼすのです。
まとめ
ヨガの語源はサンスクリット語でYujユジュ、つなぐ、くびきをつけるという意味。
柔らかで影響を受けやすい子どもの体と心を、周囲の大人があたたかく見守り、導いていくことは、次の世代、その先々の世代へつなげることに他なりません。
大人が自分の体と心を大切にして生きている姿を子どもに示すことで、自然と子どもも、自分の体と心を大切にするようになるはずです。
そんな生き方を、親から子ども、次の世代へ。そしてそのまた次の世代へとつないでいけますように!
私は、そんな思いをヨガを通した活動で広めていきたいと思っています。
12月には親子ヨガのWS開催予定があります。
是非、親子でのびのびと体を動かし、楽しい時間を過ごしましょう!
Writer |
ヨガインストラクター Mie |
「からだの地図クラス」は、初心者でも取り組みやすいアーサナ中心の構成を心がけています。ひとつのアーサナにじっくりと向き合い、その人にあった安全でより快適な方法を提案します。 |