長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターで理学療法士のMieです。
@yogathajp
秋が深まってきました。
11月、霜月。早いところでは朝霜が降りる時期。大地の恵み、収穫に感謝しながら、長く厳しい冬に備えていく季節です。
私たちは、寒い!と思うと反射的に体をぎゅっと縮こめます。体を縮こめることで体から熱を逃がさないようにしています。
整体的には、秋の寒さを体が感じると、骨盤が片側ずつ締まって中心に整い、気力が充実します。
今日はヨガクラスでもよく聞く「骨盤」について、解剖学的に解き明かしましょう。
11月の「からだの地図とハタヨガ」~骨盤を整え、寒さに備える~クラスの豆知識になります!
骨盤ってなに?
骨盤とは、太ももの骨と背骨の間で体を支える、いくつもの骨が強固に一体化した部分の総称です。
骨盤を詳しく見てみよう
前から見た骨盤です。
左から、腸骨、坐骨、恥骨に分かれます。
こちらは後ろから見た骨盤。
左から、仙骨と尾骨に分かれます。
このように、骨盤は左右の寛骨(腸骨、恥骨、坐骨で構成)と、仙骨、尾骨で成り立っています。
左右の寛骨と仙骨は仙腸関節で、左右の寛骨同士は恥骨結合で、関節を作っています。 仙骨は背骨(腰椎)で上半身とつながり、寛骨は股関節で下半身とつながっています。
骨盤は、直立二足歩行を獲得した人間が、バランスを維持して立つために最も重要な役割を果たします。
骨盤が上半身と下半身をつなぐことで、上半身の重みを下半身に分散させ、逆に地面から受けた下半身の衝撃を上半身に逃がします。上半身と下半身は連携して機能することができるのです。
骨盤ってゆがむの?
骨盤のゆがみ、よく聞く言葉ですね。
ゆがみとは、本来、軸を中心に左右対称にあるべきものが、軸からずれて非対称になっていることを指します。(10月のヨガ解剖学コラム~軸って何ですか?参照)
骨盤のゆがみをチェック!
骨盤が左右非対称だと何が良くないのか?それを簡単に体感できる方法があります。
胡坐で姿勢を良くして、深呼吸してみましょう。
次に、上半身を右ななめ前に傾けて深呼吸してみてください。
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どうでしょう?
非対称になることで、途端に呼吸がしづらくなりますよね。
今感じたように、体が対称性を保っていると、体の各部分にかかる力が均等に分配され、体の各部位にかかる負担が少なくなるのです。
本来は対称性のある骨盤とその動き
前述の通り、骨盤はいくつもの骨の集まりです。
正常な骨盤の構造は、背骨からつながる軸が仙骨、尾骨の真ん中を通り、左右の寛骨が対称的に存在しています。
左右の寛骨と仙骨の間の仙腸関節、左右の寛骨をつなぐ恥骨結合は関節なので、膝や肘のように大きな動きはできないものの、わずか2~5㎜ほど動きます。
わずかに動くことで、体をスムーズに動かすことができ、体の各部位にかかる負担を軽減できる構造になっています。
さらに、骨盤は自律神経の影響を受け、関節部分のわずかな動きによって、一日単位で開閉をしています。(緊張によって骨盤は締まり、リラックスするとゆるむ。)
女性の場合、月経周期と連動して1ヶ月単位で骨盤の開閉するサイクルがあります。
骨盤のゆがみとは、この関節部分のずれに伴って起きる非対称性のことです。
また、骨盤は上半身と下半身をつないでいるため、そのゆがみは骨盤周囲のみならず、全身の負担を増大させ、それに伴う不調を引き起こします。
骨盤のゆがみの原因は?
上半身の重みと下半身からの衝撃に備えるため、骨盤の骨は、たくさんの筋肉や靱帯で覆われています。
骨盤に関係する筋肉は約30個あり、靱帯は幾重にも分厚く重なっています。
骨盤の筋肉
骨盤の靭帯
妊娠・出産をするとホルモンの影響で骨盤の筋肉や靱帯がゆるみます。数㎜しか動かない部分をゆるめて赤ちゃんを産むのですから、相当な負担が体にかかり、骨盤がゆがむことは容易に想像できますね?
また、たくさんの筋肉がついていることから、加齢に伴う筋力の低下によって、高齢者の骨盤がゆがみやすいことも想像しやすいですね。
しかし
妊娠・出産をしない女性でも!
屈強そうに見える男性でも!
そして・・・
子どもでも骨盤はゆがみます!
骨盤のゆがみの主な原因は、
普段の姿勢や体の使い方の癖
それに伴う筋肉のアンバランス。
そして利便性の向上による運動不足、筋力低下です。
(「○○、音楽をかけて」といえば寝たままでも音楽が流れちゃう時代ですもんね・・・)
結論:筋肉を整えて骨盤を整える!
姿勢や体の使い方の癖は、特定の筋肉を力ませたり、こわばらせます。反対に弱まらせたりして、ゆがみを生みます。
身をすくめる秋の寒さを感じて骨盤が片側づつ締まろうとする時に、筋肉のアンバランスや筋力低下、ストレスがあると、骨盤がうまく締まらず、全身の不調を引き起こします。
骨盤のゆがみの原因を取り除き、
スムーズな骨盤の開閉を促すためには、
骨盤にたくさんついている
筋肉を整えることが大切ですね!
ヨガのアーサナは、様々な筋肉をバランス良く使い、安定した姿勢や動きにつなげていく良いツールです。
そして、呼吸を大切にすることで自律神経を整える=ストレスを緩和させる効果もありますよ!
からだの地図とハタヨガクラス
11月の「からだの地図」クラスでは、骨盤に関係する筋肉をしっかりとほぐし、正しく使うことで整えていきます。
ヨガの語源はサンスクリット語でYujユジュ つなぐ、くびきをつけるという意味です。
私たちの上半身と下半身をつなぐ役割の骨盤。
体と心をつなぐヨガ。
これからやってくる長く厳しい寒さに備えて、骨盤を整え、体と心をつないでいきましょう。
Writer |
ヨガインストラクター Mie |
「からだの地図クラス」は、初心者でも取り組みやすいアーサナ中心の構成を心がけています。ひとつのアーサナにじっくりと向き合い、その人にあった安全でより快適な方法を提案します。 |