長岡・小千谷・柏崎のヨガ教室
&RYT200資格スクール yogatha(ヨガッサ)
ヨガインストラクターで理学療法士のMieです。
@yogathajp
11月28日開催、ゼロからめはじめるヨガの解剖学~前屈・開脚編~のワークショップレポートです。
イントロ
今回の解剖学ワークショップは、ヨガのアーサナクラスで最もよくある動き、前屈を取り上げました。そして、実は前屈である横開脚についてもお話しました。
はじめに自己紹介と併せて、みなさんの前屈に対する悩みや想いを聞かせていただきました。
体が硬くて前屈が苦手
前屈するとここが痛い
突っ張る
得意でも苦手でもないけどなんとなく前屈している
もっと深められると良い
・・・等、お伺いしたところでスタートです。
ヨガと解剖学のつながり
このワークショップでは、
解剖学とは?
ヨガとは?
ヨガをする人になぜ解剖学が必要なのか?
という内容をはじめに必ずお話しています。
前回の太陽礼拝編に参加された方にとっては、3回目の内容です。
ヨガでは体と心はつながっていると考えられています。理学療法士は、体を扱う専門家ですが、多くの方のリハビリテーションの担当経験を通じて、体と心のつながりの重要性を強く感じています。
ヨガとは何か。
生活の中でヨガの教えをどう活かしていくか。
これらを解剖学を通じて少しでもみなさんにお伝えできるように、今回も時間をかけてお話しました。
解剖学で前屈を理解
ワークで体感!
いよいよ前屈のポイントです。
今回もパートナーのガイコツくんにお手伝いしてもらって、ワークも交えて進めました。
自己紹介の時に、
「前屈は苦手だけど、ポジティブに向き合っていけるといいな、と思って参加しました。」と仰った方がいました。
私も前屈がとても苦手なので、うなづけます。
今回の前屈のポイントは厳選された5つ!
前屈が苦手な私自身が、どうしたらポジティブに向き合っていけるのか、毎日毎日、自身の練習を通じて必死に試行錯誤を繰り返しながら考えて厳選しました!(もちろん解剖学的根拠、運動学的根拠、生理学的根拠によります)
骨盤を立てる
5つあるポイントのうち最も大切なのは、
「骨盤を立てる」!
これは前屈だけではなく、普段の生活においてもとても大切なことですが・・・
「骨盤を立てる」ことはとても難しいのです!
壁を使ったワークで姿勢、主に自分の背骨と骨盤の状態を確認しましたが、普段の姿勢や骨格によって、それぞれ苦手なポーズが必ずあります。
前屈が最も苦手なのは、骨盤が後傾している方ですが、私も入れて8名中6名が骨盤後傾位でした。
(日本人の8割は骨盤後傾位。高齢になると骨盤を立てられる人はいないに等しい。)
アーサナの定義・安定した姿勢とは?
ちなみに、ワークショップ冒頭の「ヨガとはなにか?」でもお話ししましたが、ヨガのポーズ=アーサナとは、安定した姿勢や坐法をあらわします。
理学療法士から見た安定した姿勢とは、
どこにも負担がかからず
痛みもなく
疲れにくく
なにより、呼吸しやすい姿勢。
今の自分の姿勢は、これまで自分が歩んだ人生を表しており、未来の姿勢は自分で作り上げていくものです。
私たち大人にとって、出来上がってしまった骨格は変えられません。しかし、習慣で出来上がった姿勢は変えることができます。
苦手なアーサナに取り組むことは、未来の姿勢を安定したものに変える可能性があります。そのような心で取り組めばポジティブに向き合っていけるはずです。
今回は「骨盤を立てる」方法をお伝えしましたが、なぜ「骨盤を立てる」ことがとても大切なのか、については今後のからだの地図クラスやワークショップで、少しづつお伝えしていきます。
腸腰筋の使い方を深めよう
もうひとつ大切なポイント、腸腰筋という筋肉の使い方について。
腸腰筋は、直立2足歩行となった私たちの上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。前屈で腰や股関節に痛みが出やすい方は、使い方に特に注意する必要があります。
そして、骨盤が後傾している人は働きづらくなっています。
腸腰筋の上手な使い方を体感してもらうために、試行錯誤の末に考案したワークを行いました。
みなさん、うまく腸腰筋を使えましたか?
横開脚も前屈!
そして、いよいよ横開脚です。
参考可動域や骨格の話を交えて、再びヨガとは何か、内観を大切に取り組むことをお話しました。
骨格については、ヨガにおいて特に気をつけなければいけないことがあります!それは・・・
前捻角
いわゆる内股で、日本人女性は前捻角が強い方が多いのです!
参加者の中にも1人、このタイプがいらっしゃいました。
文化の違うインドで発展したヨガは、内股とは反対のガニ股ポーズだらけ。元々内股の人が、ガニ股のポーズを無理にとろうとすることは大変危険です。
横開脚 ウパヴィシュタ・コーナーサナのアライメントにおいては、通常太ももは外回し、つま先は天井に向け続けます。しかし、前捻角の強い方には、つま先を内側に倒し、内股のポジションで前屈を深めていただきました。
習慣でできた姿勢と違い、前捻角は骨格なのでいくら練習しても変えることはできません。
(骨の柔らかい成長期までの子どもは、遺伝的要素を抜きにした骨格を変えられる可能性あり。Mie BLOG:子どもの骨盤について を見る)
骨格は個性と捉え、個性を受け入れることでシャンティ(平和・調和的)に練習しましょう!
最後は、気持ちいい横開脚に向けたシークエンスを行いました。
ブロックや畳んだタオルといったプロップスを積極的に使って1つのポーズにじっくりと向き合い、内観を大切に進めました。
ヨガで内観をする練習を重ねることで、off the matでも、自分の体や心の状態にいち早く気づき、悪くならないように対処・予防することにつなげていきましょう!
参加者のみなさんはベテランさんばかり。多少おぼつかないガイダンスではありましたが、みなさんの深い呼吸音にリードされ、スムーズにシークエンスが進みました!
理学療法士である私の想い・・・
理学療法士としては、一人ひとりの姿勢や骨格を評価し、その人に合ったアーサナを個別に提案できるのが理想です。
お一人ずつ、姿勢や骨格、動き方を丁寧に評価し、よりよい姿勢や動き方につなげるためのセルフメンテナンス方法や、アーサナを提案する場を作りたいと思っています。
また、ヨガを通して体と心を大切にする取り組み、なにより未来を創る子どもたちの心身の健やかさを応援したいと考えています。子どもの体について、発達に関するケア、体を大切にすることで自分を大切にできる子どもたちが増えていってほしい。
つきましては、教育・保育施設、医療・福祉施設、地方自治体など、セミナーやワークショップなどのご要望があれば是非お声掛けください。
ヨガ解剖学の続編は「側屈・ねじり・後屈」
次回のゼロからはじめるヨガ解剖学は、「側屈・ねじり編」です。
その後は、「後屈編」を予定していますが、後屈のためには側屈・ねじりで背骨の動きを出すことがとても大切!
ゆえに「側屈・ねじり編」から「後屈編」まであわせてご参加くださいね!
しばらく寒さの厳しい季節になります。
みなさま、どうぞご自愛いただき、良い年末年始をお過ごしください。
Writer |
ヨガインストラクター Mie |
「からだの地図クラス」は、初心者でも取り組みやすいアーサナ中心の構成を心がけています。ひとつのアーサナにじっくりと向き合い、その人にあった安全でより快適な方法を提案します。 |